アンナが好きなお話を読む
ウサギとカメ
自慢好きなウサギと、ゆっくりでも着実なカメ、そして速さだけがすべてではないことを証明する競争の物語です。
遠い昔、緑豊かな谷で、あるウサギが何よりも好んでいたのは、ほかの動物たちののろまぶりをからかうことでした。彼のお気に入りの標的はカメで、毎日同じ道を、少しも急ぐことなく歩いていました。
「おまえは本当にのろいなあ」とある午後、ウサギは笑いながら言いました。「おまえのまわりをぐるぐる走ったって、どんな競争にだって勝てるさ」
カメは動じることなく、こう答えました。「それなら競争してみようじゃないか。そうすればわかることだ」
競争の始まり
その話は森じゅうに広まり、競争の日には動物たちがみな集まって見物しました。キツネが草原の向こう側にゴールの印をつけ、合図とともにウサギは矢のように飛び出し、後ろに砂ぼこりを巻き上げました。一方カメは、一歩また一歩と、ゆっくりでも着実な歩みを始めました。
数分もしないうちに、ウサギはあまりにも先へ進んでしまい、もはや後ろのカメの姿すら見えなくなりました。すでに勝ったも同然だと確信し、時間はたっぷりあると思ったウサギは、日陰の木の下でひと休みしても構わないだろうと考えました。
ゆっくりでも着実に
ウサギが眠っている間も、カメは歩き続けました。休むために立ち止まることも、うまくいっていることを喜んで立ち止まることもなく、ただいつものように、小さな一歩をひとつずつ重ねていきました。
ウサギが目を覚まして伸びをし、自分がどれほど長く眠っていたかにはっと気づいたときには、脚の限りを尽くして残りの道を駆け抜けました。けれどもすでに遅すぎました。カメは落ち着いた足取りのままゴールラインをすでに越えており、ちょうどそこへウサギが跳ねるように駆けつけたのです。
その日集まった動物たちは、ウサギの速さを笑ったりはしませんでした。それよりも、カメがただ一度も立ち止まらなかったことによって勝利したことを語り合いました。ゆっくりでも着実であることは、結局それだけで十分だったのです。
もっと物語、もっと子守唄
これは、世界中の伝統的なお話を集めた、少しずつ増えていくコレクションの一篇です。できる限り、同じ文化圏の本物の子守唄と組み合わせています。
